おぼえがき

なにをかいわんや

おぼえがきです

人殺しによって何かを変えるのは容認できない。今日起こった話は悪い。

しかし、選挙を控えた今、お悔やみがわりの投票はすべきではない。被害者を悼むことと、自身の政治への意見表明の機会の話を混ぜてはいけない。論理的思考をすべき。情動で自分の意見を曖昧にされてしまうのはそれこそテロリストに踊らされることになる。自分と信条が違う人間を、この話に乗じて体よく引き摺り込むために動くことも、他者の尊厳に対して冒涜的な行為だ。

 

人間も、広告も、政治も、美術も、エンタメも、ショッキングであることで耳目をひくのは程度の差はあれ、好ましくない。ショッキングな表現が全てあかんとは思っているのではなく、見る側に刺激過多なものをゲリラ的に与えて動揺させ、なにかを掠め取ろうとする表現はずっと嫌いで警戒している。他人を乱暴な内容で驚かせて混乱させて判断力を奪い、強い印象を植え付けて思い通りにさせるような下品なやり口にいつまでも付き合わないでいい。

 

気持ちがあれこれ動揺している中で、昔母に勧められた「テロルの決算」を読み返そうと思った。今日のことと共通することがどれほどあるかは細かく内容を憶えていないが、とりあえず読もうと思う。近代史や近代文学に触れる中で追体験した暗澹たる空気を思い出して、これからどうしたらいいのか考えたい。

状況についていけていないが、少なくとも頭をはっきりさせていたい。