おぼえがき

なにをかいわんや

実際なにもない日

非推奨日記です。

 

髪を切り、味噌を舐める

美容院の予約をしていた。髪を切るのは7月以来で、本格的な夏になる前からそのまま放っていたことになる。襟足にかけてもさもさとしており、手入れされていない庭のようになっていた。

家を出ると、ときたま強い風が吹き傘を歪めた。傘の根元を持ち、心持ちゆっくりと歩いた。「不要不急の外出」という言葉が頭をかすめる。不急ではないかもしれないが、不要ではないです…と思いながら駅に向かう。

 

美容院で伸び放題だった襟足の毛を短くし、こざっぱりとした。1キロでも太ったら死ぬ系のリップラインまでのボブになった。色が抜けていた全頭に黒染めをして無彩色になった。顔色が変わって見える。インナーブリーチ部分にはピンクベージュを入れた。チャラくてよい。

 

帰りにDEEN&DELUCAで惣菜と白味噌などを買った。味噌職人さんを招いてテイスティングの催事をしていたが、店には私と何人かの外国人観光客しかいなかった。催事は今日一日だけの開催らしい。味噌を色々な素材と組み合わせたものを7〜8種類試食した。どれも非常に上品な味がして美味しかった。

職人さんが話すことは、味噌自体の説明ではなく、この素材に合わせると美味しい・このようにも使える、という内容だった。美味しく食べてもらうために、あれこれ工夫して用意したであろうことが窺えた。すべてに「美味しいです」と小学生並みの感想を言うと職人さんは人の良さそうな笑顔でニコっとしていた。長文で手紙を書いて味噌と笑顔を褒めまくりたい気持ちになった。味噌うまい。

帰り道、雨は少し強くなっていたが、風は弱まっていた。出かける前に風呂に水を貯めておいたが、そのまま流すだけになりそうだ。暗い部屋にたっぷりと水が貯まってるのは、少し怖い。オバケが出そう。

 

おでかけ観の個人的変化

わざわざ外に出るべきではない日に出ることはよくない。単純に危険だし、親に心配をかける。

しかし、私にとって完全に自分を甘やかすために外出したのは何ヶ月ぶりだろう。なんとなくずっと気持ちが沈んでいて、こういうことをする気が起きなかった。

誰かと一緒に楽しむために、ストレスをかき消すために、贅沢をすることはあったが、(それはそれで楽しいのでよい)ちょっと気持ちが浮ついてひとりで良い気分になりたいだけのためにわざわざ外出したのは、なんだか久しぶりのような気がする。ましてや雨が降ったり、場合によっては曇りでも外に出るのが億劫だったが、こんな悪天候の日にわざわざ外に出るなんて気の持ちようがマシになっているらしい。大きな出来事はなかったが、気分の良さが残った。

 

まとめ

台風の日は家から出てはいけません。