おぼえがき

なにをかいわんや

花粉のせいで春が楽しくない

花粉は突然やってくる

ある3月初旬の日、暖かくて天気が良い。日が長くなってきたのが嬉しくて、帰り道は一駅多めに歩こうかと思う。春が来ている。

散々着て、飽き果てたダウンコートをいよいよクリーニングに出せるか…春物ないなあ買わないとな、などと考えながら元気よく歩く。

脳裏を掠めるのは花粉の存在だ。いやでもまだ全然大丈夫だな?

いつもは2月後半から調子が悪いのに、今年はまだ花粉来てない。これはいける、年明けからビタミンとか摂ってたっけ?食生活別に変えてないけどな、なんにしろラッキーだわ、などと思いながら、極寒仕様にしていた暖房のタイマーの時間を少し短くする。寒くて眠れないことがなくなったことと、電気代の微減に喜びながら眠る。

 

数日後の深夜、突然鼻呼吸ができなくなって目が覚める。呼吸が苦しい。喉がカラカラで喉が腫れているように痒い。目玉が痒い。もう身体中が痒い。花粉症はダラダラひどくなるのではなく、突然押しかけてくる。

鼻水で枕カバーがびしょ濡れて冷たい汚いクソかよと思う。花粉は来ているのだ。来ないわけないだろ。どうでもいい眠い、とりあえず今日は寝る。苦しい。息が出来ない。薬がない。死ぬ…と思うが焦りはない。花粉症では死なないことぐらいわかっている。今夜が今年一番の山だ、と覚悟する。

しかし毎年のことながら発症するのがわかっていながら薬を早めに買うのは面倒くさい。というかこういう夜がやってくるのには年によって時期に差があるので、早めに対策すると金がかかるのだ。鼻炎薬、点鼻薬、目薬を買うと普通にワンシーズンで薬代が平均10000円を超えるので予備的に買うと、それだけランニングコストが明確に変わるのでなるべく使用期間を削りたい。

明日は絶対薬局行こ…と決心しながら無理矢理寝る。今できることは何もない。

 

 

薬を飲めばいいというものでもない

翌日、今年は何にするか…と思案してアレグラを買う。なんとなく薬の種類を毎年変えた方が効きがいいのではないかと思う。

アレグラは5日で効かなくなった。ふざけんなと思ったが、毎年「アレグラが一番効く」と言う人に何人にも会うし、「アレグラ効かない」と言い切る人も何人もいる。もうこれは個人差だ。パブロン鼻炎カプセルに切り替えた。去年はワンシーズン持った点鼻薬が半月で無くなった。15mlで2000円ほどするちょっと高いやつ買ったのに、効きがまあまあだった。去年は30mlで700円くらいのやつ一本でワンシーズン持ったのに…。花粉との戦いには、基本的に不確定要素が多い。

目薬に「点鼻薬と併用すると人によっては眠気が来るので車の運転やめてね」と注意書きがあった。

私はあらゆる薬による眠気を感じたことがないので(多分薬が効きにくい)まあ別に平気やろと思いガバガバ使っていたが、今年に関しては休日は変な時間に眠くなって、普段しない昼寝をしまくった。薬の効果なのかも知れない。仕事の日は別に眠くならないのは神経がギンギンなのだろうから大して実際的に困る訳ではないが、休みの日に寝てしまうのはなんかもったいない。

このシーズンに絶対やってはいけないことは、風呂に入らずに化粧だけ落として寝ることだ。どんなに飲んだくれた日も化粧落とすの偉くない?と思うが、ちゃんと洗っておかないと、夜中に全身が痒くて飛び起きる羽目になる。数年前までは肌まで痒いことは無かったのに…。

今年は3月末には痒さから鼻周りを触りすぎてビジュアル的に人に見せられない感じになったので、マスクを外せなくなった。毎年マスクはしているが、ここまで肌荒れしたのは初めてで、気を使うことが増えて面倒さを含めて気持ちが沈む。

年々面倒になる。死ぬまでこのままなの?生きるの面倒すぎない?

 

 

花粉症じゃなくなった人たち

今年は珍しく、花粉との戦いから離脱した人二人から体験談を聞けた。花粉症は不治の病で国民病だと思っていたが、解脱する方法があるらしい。

「私全然花粉症じゃないけど毎年きつそうですね(笑)」という人に「いやいきなり来るから明日は我が身だよ(笑)」と煽るか、「スギだけなのはまだいい。そのうちヒノキ・ブタクサデビューもあるから覚悟しとけな」と煽られたり、と不幸ベースの絶望マウント合戦になっていたが、一度入った地獄から抜けられた人も存在するらしい。

 

一人は毎年重度の花粉症に悩まされていたが、ドイツに留学し、花粉症のない春を過ごしたら、日本に帰ってから10年以上経っても花粉症がぶり返すことがなくなったらしい。そんなことあるの?!

もう一人は去年、花粉症界隈で有名な某医院でステロイド注射を尻にしたらワンシーズン花粉に悩まされることがなくなったとのこと。翌年は同じ医院で薬だけもらって注射はしていないが十分快適らしい。尻に注射は嫌だしステロイドに対する気後れはあるけど、涼しい顔をして春を過ごしているのは、素直に羨ましい。

 

 

この先生きのこるには

あと数十年くらい花粉のせいで苦しみ、毎年万単位の出費を覚悟しなくてはいけないと思ったら根治治療を願いたい。杉が全部枯れ果てる前に私の寿命は尽きると思う。樹木とサドンデスで戦うのは無理だ。

かといって花粉を理由にドイツに行くことも難しいので、尻に注射の方が現実的だろう。今年は既に10000円くらい払ってしまったので「ワンシーズン」のコスパが悪くなるので(苦しいには苦しいが、ケチが勝る程度である)市販薬で乗り切りたいが、来年は2月頭くらいにさっさと某医院に駆け込んでみたいと思う。打つ手がなく死ぬほど苦しいという程でもないから、悠長といえば悠長である。

 

 

まとめ

花粉消えろおかげで春が苦手になる。